虫歯

虫歯になったら抜歯は必要?

虫歯になったら抜歯は必要?

虫歯で抜歯が必要と言われても、歯を抜きたくないし痛い思いをするのは嫌だという方が多いです。虫歯でなぜ抜歯が必要なのか、抜歯にならないためにはどうすればよいのかについて詳しくご紹介いたします。

虫歯を簡単に説明

虫歯はどのような口腔環境によって起こるものでしょうか。

虫歯になる環境とは

虫歯になる口腔環境は下記の原因です。

  • 細菌: 口腔内の細菌が糖分を酸に変えてしまう
  • 糖分: 高糖分の食事が細菌の増殖を促進してしまう
  • 口腔衛生: 不十分なブラッシングやフロッシングが細菌の蓄積を招く

不十分な歯磨きによる口腔内の環境の悪さが主な原因となります。虫歯菌が口腔内に残った食べ物から糖分を摂取し、酸を生成します。この酸が歯の硬い組織であるエナメル質を徐々に溶かし、虫歯を引き起こします。

抜歯は本当に必要なの?

虫歯は放置すると徐々に進行し、最終的には抜歯が避けられない状態に至ることが多いです。どの段階で抜歯が必要になるのか、抜歯の処置を検討し始める虫歯の段階についてご紹介いたします。

  • 歯の大部分が破壊され、修復が不可能な状態になっている
  • 歯の根まで深く感染し、治療が困難または不可能である
  • 激しい痛みや腫れがあり、周囲の組織にも影響を与えている

このような状態になっていると抜歯をおすすめされることが多いです。

抜歯の判断基準は?

1.歯の保存が不可能

歯科医師が歯を保存することが不可能と診断した状態である

2.全体の健康に影響がある

虫歯の感染が全身の健康状態に影響を及ぼすリスクがある

3.患者さんの希望

患者さんが他の治療方法よりも抜歯を希望した

抜歯後の選択肢と治療方法

抜歯後に失われた歯の咀嚼機能や審美性を回復させるため、様々な治療が選択肢としてあります。

インプラント

手術により人工歯根を顎の骨に埋め込み結合し、人工歯根に連結部分をつけ、人工歯を装着します。

ブリッジ

両隣の隣接する歯を支えにして橋のように架け、欠損した歯の部分に人工歯を固定します。

部分入れ歯

保険適用の場合、両隣を支台歯にしてバネをかけ、取り外し可能な部分入れ歯を装着します。自由診療の場合は審美性の高い部分入れ歯もありますが、それぞメリットやデメリットがあるため、患者さんの状態やご希望に応じた治療が選択されます。

抜歯回避は虫歯にならないよう予防しよう

抜歯を回避するためには、虫歯にならないように予防することが大切です。適切な予防を続けると、虫歯による抜歯リスクを大きく減少させられます。

正しい口腔衛生の維持

食後すぐにブラッシングを行うこと、また就寝前には、タフトブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスも使用してお口の中を清潔に保つことです。

食生活の見直し

糖分の摂取を控えめにし、規則正しい時間に健康的な食生活を心がけましょう。

フッ素の利用

フッ素は歯質を強化する成分で虫歯のリスクを減少させます。フッ素配合の歯磨き粉の使用や、必要に応じて歯科医院でのフッ素塗布を行いましょう。

定期的なプロフェッショナルケア

セルフケアとプロフェッショナルなケアを併用しましょう。歯科医院で定期的にクリーニングや検診を受診すると、虫歯の早期発見と治療が可能になります。早期発見をするために、虫歯の進行段階と症状についてご説明します。

  1. 初期むし歯(C0):エナメル質の白濁があるがケアをすれば再石灰化する。無症状である。
  2. むし歯(C1):エナメル質に穴が開く。無症状である。
  3. むし歯(C2):エナメル質内部の象牙質まで虫歯菌が到達して穴が開いている。痛みやしみるという自覚症状が出ることがある。
  4. むし歯(C3):象牙質より内部の神経(歯髄)まで到達して穴が開いている。激しい痛みを覚え、歯茎に腫れや口臭の症状が出る。
  5. むし歯(C4):歯の根の先にある根尖まで細菌が進行して嚢胞を作り、歯周炎になることがある。神経が死んでいるため痛みを感じることができない。

まとめ

虫歯は早期発見による適切な治療で抜歯を避けることができる病気です。定期的な歯科検診と正しい口腔衛生の維持、健康的な生活習慣が虫歯予防の鍵を握っています。抜歯は最後の手段と考え、できる限りご自身の歯を維持することを目指しましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス