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子供が歯医者で治療できないのは何故?

子供が歯医者で治療できないのは何故?

クローバー歯科豊中駅前アネックス 歯科医師 中西 洋介

子供が歯医者の治療を嫌がるせいで治療受けられないというお悩みを聞きます。歯医者を嫌がる理由や、子供が歯医者を怖がらないようにするポイントについてご説明します。

子供が歯医者を嫌がる理由

大人でも子供でも、病院へ通院するのが大好きという方は少ないと思います。特に、歯科医院の場合、歯の感染病である虫歯や歯周病にかかり、痛みやしみるなどの自覚症状が出てから来院される方がほとんどだと思われます。歯茎に麻酔の注射を行い、歯を削るなどの処置を行うのは、成人していても苦手という方はおられます。

お子さんが歯科医院への通院を嫌がるポイントとして挙げられるのは、主に以下の4つです。

  • 歯科医師が何をするのかわからない
  • 悪いことをしたら連れて行くと言われた場所
  • 周囲から聞こえる歯を削る音や歯を照らす照明が苦手
  • チェアーを倒して口を開けたままの状態にするのが怖い

治療できない子供でも頑張って治療させる?

怖くて泣いて治療を拒否する子どもに対して、押さえて無理やり治療を行うというのは一番取ってはいけない方法ですので、覚えておきましょう。逆に、歯医者での治療が怖いと思うお子さんにはTSD法が良い方法です。Tell Show Doの頭文字をとっており、クリニックでの一般的な治療の流れを説明します。例えば虫歯治療を行うケースでしたら、以下のように治療の手順をお子さんにわかりやすくご案内します。

TSD法

  1. 治療の前にお子さまへ手鏡を渡し、歯のこの部分に治療を行うと歯科医師が伝えます
  2. 痛さや悪さの原因はむし歯にいるばい菌だとお子さまに伝え、治療に必要な器具も見せて動作を行います
  3. 歯医者は悪いものを退治する正義の味方と思えるよう、丁寧に説明すると就学前のお子さんでも理解は可能です
  4. やっと虫歯治療を開始します

乳歯はいずれ生え変わるし、歯医者に行くの嫌がるからと放置してはいけません。歯肉の中で細菌感染を起こして歯質が弱い永久歯が生えてくる可能性もあります。そのような歯はすぐに虫歯や歯周病に感染し、重度に進行したり、歯が抜けてしまいます。乳歯でも黒い変色や何か気になる点があれば、必ず歯科を受診しましょう。

子供をすんなり歯医者へ通わせるポイント

保護者様がお子さんを歯医者へ連れて行くのは大変です。すんなりとクリニックへ通わせるには、いくつかのポイントがあります。

  • 子供の昼食やおやつの時間を避けて通院の予約をする
  • 見通しが立てやすいよう何時に歯医者へ行くと子供に伝える
  • 何もしない?と子供へ聞かれた時に嘘を言わないようにする
  • 歯医者を怖い場所と認識させない
  • 治療中にはそばで笑顔で見守ってあげる
  • 治療後に子供が泣いてもこれだけがんばって偉いと褒めてあげる

この中で子供に嘘を言わないようにするという点が、一番難しいかもしれません。痛いことしない?と尋ねられた場合は「お医者さんが見てくれないとわからないけど、痛いの嫌だってきちんと先生に言おう」など嘘を言わないことが大切です。嘘をついて痛い治療をされたとなれば、歯科恐怖症へつながります。そのためにも予定をわからせて、なるべく優しい話し方を心がけましょう。

「ずっと見ているからね」と言われれば少し頑張ってみようという気持ちになります。慣れない環境に緊張しているお子さんへ、一言診療前に声をかけるのはおすすめです。

子供が歯医者で治療できない理由に関するQ&A

子供が歯医者を嫌がる理由は何ですか?

子供が歯医者を嫌がる理由は、主に以下の4つです。
1.歯科医師が何をするのかわからないため、不安を感じる。
2.歯医者に行くと悪いことをした場合に連れて行かれると言われるため、恐怖心を抱く。
3.周囲から聞こえる歯を削る音や歯を照らす照明が苦手で、不快感を覚える。
4.チェアーを倒して口を開けたままの状態になるのが怖く、恐怖心から治療を受けることを拒否する。

子供の治療を無理やり行うことは避けるべきですか?

子供が怖くて泣いて治療を拒否する場合、無理やり治療を行うことは避けるべきです。無理に押さえつけたり強制することは、子供にとってさらなる恐怖心やトラウマを与える可能性があります。子供の不安や恐怖を理解し、適切なアプローチを取ることが重要です。

子供に対して効果的な歯科治療法はありますか?

子供に対して効果的な歯科治療法として、TSD法(Tell Show Do)があります。これは治療の流れを子供にわかりやすく説明する方法です。具体的な手順としては、手鏡を使って治療箇所を見せたり、治療の必要性や使用する器具を説明したりすることです。子供が治療に対して理解しやすくなり、不安や恐怖心を軽減する効果があります。

まとめ

歯のキャラクター

病院はマイナスイメージがあり、歯科の場合、お口の中に何か痛いことをされるのではとお子さんが思いがちです。歯科医師や歯科衛生士に時間をかけて優しくゆっくりと治療をしてもらうことで、通院の度の緊張はほぐれ、リラックスして歯科治療を受診できます。子供のフッ素塗布やむし歯治療、歯磨き指導などご希望であったり、歯並びやお口のお悩みがある方は、小児歯科や小児矯正を行っている歯医者を見つけて、通院しましょう。ご予約の際に怖がりのお子さんだとスタッフに相談していただくと、よりスムーズに治療が受けられると思います。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス