その他

歯が痛い…放置しても大丈夫?すぐ歯医者に行くべき理由とは

歯が痛い…放置しても大丈夫?

「あれ…なんか歯が痛いかも?」

でも、しばらく様子を見れば治るかもしれないし…
忙しいし、歯医者に行くのはちょっと面倒…。

そんなふうに、歯の痛みを感じても「すぐ歯医者に行くべきかどうか」で迷ったこと、ありませんか?
実はこの“様子見”が、後々とても大きなトラブルを招くこともあるんです。

この記事では、「歯が痛いときに歯医者に行くべきか?」という疑問に対して、
結論・理由・具体例をわかりやすく解説していきます。

歯が痛いなら、すぐに歯医者に行きましょう!

痛いときは歯医者に行きましょう

歯の痛みを感じたら、我慢せずに早めに歯科医院を受診するのが大切です。痛みの裏には、虫歯や歯周病、神経の炎症など見えない原因が隠れている可能性があります。

歯が痛んだらすぐ歯医者へ。原因が悪化する前の受診がカギです。

「ちょっとしみるだけ」「いつの間にか治まったから大丈夫」と痛みを軽視して放置してしまう患者さんは少なくありません。しかし、歯の痛みは体からのSOSサイン。見た目に異常がなくても、歯の中や歯茎の奥で何かが進行している可能性があります。

早期の治療なら、簡単な処置で済むこともあります。逆に放置すれば、神経を抜く・抜歯する・インプラントになるなど、大がかりな治療につながることも…。

放置による悪化のリスクは意外と深刻

放置によるリスク

「我慢すれば治るかも」という考えはとても危険。痛みのある状態を放置すると、歯や歯茎の状態は確実に悪化してしまいます。

痛みを放置すると、治療がより複雑になってしまいます。

歯の痛みを放っておくと、以下のようなトラブルを招くことがあります。

虫歯の進行 → 初期の虫歯なら詰め物で済んだものが、放置すれば神経の除去や被せ物が必要になります。

歯周病の悪化 → 歯茎の腫れや違和感を放置すると、歯を支える骨が溶けて、最終的に歯が抜けてしまうことも。

神経の壊死 → 歯の奥にある神経が死んでしまうと、痛みが一時的に消えても、感染が進行して膿がたまり、激痛に発展します。

つまり、「痛くなくなった」=「治った」ではないということ。早めに受診して正確な診断を受けることが、将来の健康な歯を守るカギです。

虫歯・歯周病・神経の炎症など原因はさまざま

痛みの原因いろいろ

歯の痛みの原因は一つではなく、虫歯・歯周病・神経のトラブル・噛み合わせの問題など多岐にわたります。痛みの感じ方も症状によって異なるため、「ただの虫歯かも…」と決めつけるのは危険です。原因ごとに治療方法が違うため、正確な診断が大切です。

歯の痛みには複数の原因があるため、歯科医院での診断が必要です。

主な原因ごとの特徴と注意点

以下のようなトラブルが、歯の痛みの背景に隠れていることが多いです。

虫歯(う蝕)

特徴:
→ 初期段階では痛みを感じにくいことが多いですが、進行すると冷たいものや甘いものがしみたり、噛んだときに痛みが出たりします。

放置すると:
→ 神経まで虫歯が進行し、ズキズキとした激しい痛みに変わります。根管治療や被せ物が必要になる場合も。

歯周病

特徴:
→ 初期は自覚症状がほとんどなく、進行すると歯茎の腫れ・出血・違和感などが現れます。歯が浮くような感じや、噛んだときの痛みも。

放置すると:
→ 歯を支える骨が溶け、最悪の場合は歯が抜けてしまうことも。歯が痛む原因が「歯」そのものではなく「歯茎や骨」だった…ということもあります。

神経の炎症(歯髄炎・根尖性歯周炎など)

特徴:
→ ズキンズキンと脈打つような激しい痛みが起こることがあります。特に夜間に痛みが強くなり、眠れないことも。

放置すると:
→ 神経が壊死し、一時的に痛みが引いても根元に膿がたまって再発。顔が腫れたり、熱が出ることも。

噛み合わせの異常(咬合性外傷)

特徴:
→ 特定の歯だけが痛む、噛むと違和感がある、歯がグラグラするなどの症状があります。

放置すると:
→ 歯が割れたり、歯周組織に負担がかかって歯を失うリスクも。

知覚過敏

特徴:
→ 冷たい飲み物や歯磨きのときに一瞬だけしみるような痛み。慢性的なものではなく、刺激が去れば痛みは消えます。

注意点:
→ 一見軽く見えますが、実は虫歯が隠れているケースもあります。違和感が続く場合は要注意。

「痛みの正体」はプロでなければ判断できません

患者さん自身では、どの症状に当てはまるかを判断するのは非常に難しいです。痛みの出方、時間帯、場所、きっかけによっても違いがあるので、以下のような要因を歯科医院で総合的に診断する必要があります。

  1. レントゲンによる内部確認
  2. 歯や歯茎の反応検査(冷温刺激・打診など)
  3. 噛み合わせの確認
  4. 歯垢や歯石の蓄積チェック

このように、痛みの原因を正確に突き止めるには専門的な検査が不可欠です。「なんとなく我慢して様子を見よう」とせず、なるべく早めの受診を心がけましょう。

すぐ受診すべき「危険な痛み」のサインとは?

「そのうち治るかも」と思っていても、実は緊急性が高いケースもあります。以下のような症状があれば、すぐ歯医者に連絡を。

強い痛みや腫れは、早急な治療が必要なサインです。

次のような症状があれば、我慢せず歯科医院へ。

  1. ズキズキと拍動するような痛み
  2. 歯茎や顔の腫れ
  3. 膿が出ている、口臭が強い
  4. 熱を伴う歯の痛み
  5. 痛くて眠れない、食事ができない

これらは、感染や炎症が進んでいるサイン。放置すると顎の骨や全身に影響を及ぼすこともあり、非常に危険です。

市販薬や自己判断では根本解決しません

痛み止めや市販薬で一時的に症状を抑えても、原因自体がなくなるわけではありません。むしろ気づいたときには手遅れになっていることも。

市販薬は一時しのぎ。根本解決には歯科の診断が必要です。

歯の痛みには市販の鎮痛剤やうがい薬が使われることもありますが、それは「一時的な対処」にすぎません。根本的な原因にアプローチしない限り、痛みは再発し、より大きな治療が必要になります。

自己判断で様子を見ているうちに症状が進行してしまい、「もっと早く来ていれば…」というケースは本当に多いです。

健診を習慣にすれば「痛み」自体を予防できます

歯が痛くなる前に、定期的な健診でチェックを受けておくと、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。

定期健診は、痛みのない歯を保つ一番の近道です。

痛みが出てから受診するより、痛みが出ないように予防することが理想的です。そのために大切なのが、以下のような習慣です。

  1. 3~6か月ごとの歯科健診の受診
  2. 歯磨き指導やクリーニングの実施
  3. 虫歯や歯周病の早期発見・早期治療

これにより、「気づいたら悪化していた」というリスクを大幅に減らすことができます。健康な歯を守るには、“問題がないうちに歯医者に行く”という意識がとても大切です。

健診ではどんなことをするの?歯の健康を守るための基本チェック項目

歯科の健診では、虫歯や歯周病のチェックだけでなく、歯垢や噛み合わせの状態、詰め物や被せ物の不具合まで多角的に確認されます。早期発見・予防のために欠かせない大切なプロセスです。

健診では歯や歯茎、かみ合わせなどを総合的にチェックします。

健診って「ただ見るだけでしょ?」と思われがちですが、実は内容はとても充実していて、以下のようなことが行われます。

  1. 虫歯の有無チェック → 歯の表面や隙間に虫歯がないかを丁寧に確認。初期の虫歯は痛みがなくても発見できます。
  2. 歯周病のチェック(歯茎の状態確認) → 歯茎の腫れや出血、歯周ポケットの深さなどを測定。進行状況も評価してくれます。
  3. 歯垢・歯石の付着チェック → 歯磨きだけでは落とせない歯垢や歯石がついていないかを確認し、必要に応じてクリーニングします。
  4. 詰め物・被せ物のチェック → 過去に治療した詰め物や被せ物が劣化・浮き・破損していないかもチェック対象です。
  5. 噛み合わせ・歯ぎしりの確認 → 噛み合わせのズレや、歯ぎしりの痕跡があるかもチェックし、必要があればマウスピースの提案なども行われます。
  6. お口の粘膜や舌の健康チェック → 口内炎や粘膜の異常、舌の状態などもチェックして、口腔がんなどの早期発見にもつながります。

「健診って地味だけど、超大事」

このように、健診は単なる「虫歯探し」ではなく、口腔全体の健康状態をまるごとチェックする大事な機会なんです。

  • ほんの5〜10分の診察でも、歯医者さんの視点ではものすごく多くの情報が読み取れます。
  • 患者さんが自覚していない小さな変化も、プロの目なら見逃しません。

定期的に健診を受けていれば、「あれ?なんか痛い…」と感じる前に、未然に問題を防ぐことができるのです。

まとめ

歯が痛くなったら、迷わず歯医者へ

歯の痛みは、「体からの大切なサイン」です。
一時的に和らいでも、原因が消えたとは限りません。放置すれば、治療はより大がかりになり、費用も時間もかかってしまいます。まずは気軽に相談するつもりで、歯科医院を受診してみましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

▶プロフィールを見る

クローバー歯科豊中駅前アネックス