歯周病

なぜ日本人に歯周病が多いのか?予防のカギは日々のケア!

なぜ日本人に歯周病が多いのか?

「歯周病は日本人の国民病」とも言われるほど、多くの人が悩まされている病気です。
実際、40歳以上の日本人の約8割が歯周病またはその予備軍とされています。

「なぜこんなに多いの?」「自分も大丈夫かな?」
この記事では、日本人に歯周病が多い理由と、今日からできる予防方法をわかりやすく解説します。

日本人は歯周病になりやすい傾向がある

日本人の多くは、歯周病にかかっている、もしくはその予備軍であると言われています。厚生労働省の調査でも、40代以上の約8割が歯周病に何らかの形でかかっているという結果が出ています。

日本人の多くが歯周病にかかっており、非常に身近な病気です。

実際、歯周病はむし歯よりも“気づきにくく、進行しやすい”という特性があります。日本では「歯が痛くなったら歯医者に行く」という考え方が根強く、予防の意識が薄いため、知らないうちに歯周病が進行してしまう人が多いのです。

さらに、初期の歯周病は痛みがほとんどないため、「まさか自分が歯周病なんて…」と気づかないまま放置してしまうケースも少なくありません。

日本の歯科意識と生活習慣が影響している

日本では、「歯が痛くなってから歯科医院に行く」という受け身の考えが根強く、定期的な健診や予防ケアの意識が欧米諸国に比べて低い傾向にあります。その結果、歯周病が進行してから気づくケースが多く見られます。

予防への意識が低く、早期発見が難しいのが日本人の傾向です。

主な理由:

  1. 定期的な歯科健診を受ける人が少ない
    → 口内の異変に気づくタイミングが遅れる。
  2. 歯磨きの方法に誤りがある人が多い
    → 歯垢が取り切れず、歯周ポケットが深くなりやすい。
  3. 歯周病の自覚症状が少ない
    → 痛みがないまま進行しやすい。

このような背景から、日本人は気づかないうちに歯周病を進行させてしまうケースが多いです。

統計データと他国との比較で見える現状

たとえば、スウェーデンでは80%以上の人が定期健診を受けており、歯周病の有病率も低い傾向にあります。一方、日本では予防よりも治療中心の考えが根強く、歯周病の早期発見が遅れがちです。

他国と比べると、日本人の歯周病リスクは高めです。

各国の歯周病予防に対する意識・行動の比較表

比較項目 日本 🇯🇵 スウェーデン 🇸🇪 アメリカ 🇺🇸
定期健診の受診率 約30〜40%程度 約80〜90% 約60〜70%
歯周病の有病率(中高年層) 約80% 約40% 約47%
歯磨き回数の平均 1〜2回 2回 2回
補助清掃具の使用率 約30%未満 約70%以上 約50〜60%
予防意識 低め(治療優先) 高い(予防優先) 高め(教育が浸透)
小中学校での歯科教育 一部自治体で実施 全国的に徹底 州によって義務教育の一部

具体的な比較例:

  1. 日本(厚労省調査)
    → 40歳以上の約8割が歯周病にかかっている
  2. スウェーデン
    → 定期健診率:80%超/歯周病有病率:約40%
  3. アメリカ
    → 歯周病教育が義務化されている州もあり、若年層の予防意識が高い

この表からわかること:

日本は定期健診や予防ケアの習慣がまだまだ根づいていない。

スウェーデンやアメリカといった国々では、「歯が痛くなる前に予防する」という考え方が主流。

日本でもこの“予防中心型”にシフトしていくことで、歯周病の発症率を下げることが期待できます。

データからも、日本の予防意識の低さが歯周病の多さにつながっていることが見て取れます。

歯周病になりやすい日本人の共通点とは?

なりやすい人の特徴

日本人の中でも、特に歯周病になりやすい傾向があるのは、特定の生活習慣や体質を持つ人たちです。自分の生活に当てはめてチェックしてみましょう。

生活習慣や体質により、歯周病リスクが高まります。

チェックしたい項目:

歯磨きが1日1回以下の人
→ 歯垢が残りやすく、炎症が起きやすい

甘いものや間食が多い
→ 菌の栄養源が増え、歯周病菌が増殖しやすい

喫煙習慣がある
→ 歯茎の血流が悪くなり、免疫力も低下

ストレスや睡眠不足が続いている
→ 免疫力低下で炎症が起きやすくなる

糖尿病などの生活習慣病を抱えている
→ 歯周病との相互関係が強く、悪化しやすい

これらの習慣を見直すことで、歯周病リスクをグッと減らすことができます。

歯周病を予防するために今日からできること

歯周病は予防できる病気です。正しい歯磨きと定期的な歯科健診を習慣づけることが、未来の自分の歯を守る第一歩です。

今日から始められる習慣で歯周病を防ぎましょう。

歯磨きの回数よりも“質”が大事!

  1. 1日2~3回、時間をかけて磨く
    → 回数を増やすよりも、1回の歯磨きに5?10分かける意識が◎
  2. 毛先を歯と歯茎の境目にあてて小刻みに動かす
    → 歯周病の原因となる歯垢はこの部分にたまりやすい
  3. 力を入れすぎないように注意
    → 強すぎる歯磨きは歯茎を傷つけ、かえって逆効果に

おすすめポイント:

  • 毛先が開いた歯ブラシは効果が落ちるので1か月ごとに交換
  • 歯磨き粉はフッ素入り+歯周病対策用がベター

フロスや歯間ブラシで“すき間”のケアをプラス!

歯ブラシだけでは60%しか歯垢は取れない

歯間の汚れは歯周病の温床

毎晩寝る前に取り入れるのが理想的

おすすめポイント:

  1. 歯と歯の隙間が狭い → デンタルフロス
  2. 隙間が広め・ブリッジがある → 歯間ブラシ

最初は面倒でも、慣れると「フロスしないと気持ち悪い」ってなる人も多いですよ!

定期的な健診で“早期発見・早期対処”

  • 目に見えない進行が多いのが歯周病の怖さ
  • 3?6ヶ月ごとの健診で、歯茎の状態や歯垢・歯石のチェック
  • 専門のクリーニング(PMTC)で汚れをリセット!

歯周病は自覚症状が出たときには進行してることが多い!
だから、「異常を感じる前」に通うのが理想です◎

食生活も見直そう!体の中から歯を守る意識を

  • ビタミンC・カルシウム・たんぱく質をしっかりとる
    → 歯茎の健康維持に欠かせない栄養素
  • だらだら食べを控える
    → 常に口の中に糖分があると、歯垢中の菌が活発に!

おすすめの食品:

  • 緑黄色野菜(ビタミンC)
  • 小魚・乳製品(カルシウム)
  • 肉・魚・大豆製品(たんぱく質)

食事の質はお口の中の“治癒力”や“抵抗力”にも直結するよ!

喫煙・ストレス・睡眠不足の改善も超重要!

  • 喫煙は血流を悪くして歯茎の回復を遅らせる
  • ストレスは免疫力を下げて歯周病を悪化させる
  • 睡眠不足も慢性炎症を悪化させやすい

やめるのが難しいなら…
→ 本数を減らすことからでもOK!

ストレス対策には
→ 運動・瞑想・好きなことに没頭する時間も効果的!

予防のカギは「継続×正しい知識」

歯周病予防の第一歩は、“気づいた今日”からスタートすること。
いきなり完璧を目指す必要はありませんが、
次のようなステップを毎日少しずつ積み上げていけば、将来の歯をしっかり守れます。

まとめ

意識を変えれば歯周病は予防できる!

「日本人には歯周病が多い」という事実はありますが、それは予防意識の低さや生活習慣によるところが大きいです。だからこそ、私たち一人ひとりが予防に目を向け、歯科医院での健診や日々の歯磨きを見直すことがとても大切です。

歯周病は“予防できる国民病”。自分の歯を守るのは自分の行動です!

今日からできる予防ステップ

  1. 丁寧な歯磨きを習慣化
  2. フロスや歯間ブラシを毎晩使う
  3. 3~6ヶ月ごとの健診を忘れない
  4. 栄養バランスを意識した食事をする
  5. 禁煙・ストレスケア・睡眠を見直す

「10年後、自分の歯でしっかり噛める人生」
そのために、未来の自分にプレゼントするつもりで、今日から予防の習慣を始めましょう!

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

▶プロフィールを見る

クローバー歯科豊中駅前アネックス