お盆休みに歯の詰め物が取れたらどうする?年末年始にも役立つ応急処置と受診の目安
お盆休みに歯の詰め物が取れたらどうするかについてですが、取れた物を捨てずに保管し、外れた歯では噛まないようにしてください。自分で元に戻したり、家庭用の接着剤で固定してはいけません。歯は詰め物が取れて無防備な状態になっているため、痛みがなくても、かかりつけの歯科医院へ連絡し、診療再開後のできるだけ早い日に受診しましょう。強い痛み、歯ぐきや顔の腫れ、発熱などがある場合は、連休明けまで待たずに休日歯科診療所や救急対応の医療機関で状態を診療してもらってください。
年末年始やお盆は、多くの歯科医院が休診していますが、適切な応急処置を知っていれば、歯を余計に傷めるリスクを抑えながら受診日まで過ごせます。ここでは、今すぐ行うこと、してはいけないこと、症状別の受診目安、休日に診てもらえる歯科医院の探し方を順番に解説します。
目次
歯の詰め物が取れた直後に行う5つの応急処置
詰め物が外れた直後は、慌てて取れた部分を触らず、次の順番で対処してください。
1.取れた詰め物を探して保管する
食事中に外れた場合は、口の中や食べ物の中を確認します。見つけた詰め物は捨てず、水で軽く汚れを流してから、清潔な小さいケースや袋に入れて保管してください。状態によっては再装着できる可能性があるため、受診時に持参しましょう。強くこする、熱湯をかける、漂白剤やアルコールに浸すといった処置は必要ありません。
詰め物を紛失しそうならば、ふたの閉まる容器に入れておくと安心です。ティッシュに包むと、ごみと間違えて捨ててしまう可能性があります。
2.外れた側では噛まない
詰め物に守られていた歯は、削られた面が露出しています。硬い物を噛むと、残っている歯が欠けたり、ひびが入るリスクがあります。食事は反対側で噛み、おかゆ、うどん、豆腐、卵料理、やわらかく煮た野菜、骨や皮を取り除いた魚、常温のスープにしましょう。せんべい、ナッツ、フランスパン、氷など噛んだときに強い力がかかる物は避けてください。
3.冷たい物・熱い物・甘い物を控える
詰め物が取れると、エナメル質の内側にある象牙質が露出し、温度や糖分の刺激が伝わりやすくなります。氷入りの飲み物、熱いスープ、アイスクリーム、お菓子などでしみる場合は、常温に近い飲食物に切り替えてください。刺激を避けることは、あくまでも受診までの一時的な対応であり、しみなくなったら大丈夫というわけではありません。
4.口の中を清潔に保つ
穴に食べかすが詰まったままでは、不快感や痛みが強くなります。食後はぬるめの水でやさしくうがいをし、歯ブラシが当たって痛くない範囲で周囲を清掃します。爪やつまようじ、針などで穴の中をほじると、歯や歯ぐきを傷つける原因になるのでやめましょう。強く磨く必要はなく、毛先のやわらかい歯ブラシで、外れた部分の周囲も丁寧に清掃しましょう。
5.かかりつけ歯科医院へ連絡する
休診中でも、公式サイトや留守番電話に休診期間が案内されていることがあります。痛みがなくても予約だけは早めに取り、診療再開後のできるだけ近い日程で診てもらいましょう。電話や予約フォームでは、次の情報を伝えるとスムーズです。
- いつ取れたか
- 痛みや腫れがあるか
- 冷たい物がしみるか
- 取れた詰め物を保管しているか
- 完成した物か、治療途中の仮詰めか
- 歯が欠けたり、ぐらついたりしていないか
絶対に避けたいNG行為
取れた詰め物を自分で歯に戻すことは、最も避けましょう。見た目には元の位置に収まっているようでも、わずかなずれがあると噛み合わせが変わってしまい、再び外れて飲み込んだり、気道に入るリスクもあります。詰め物の裏側や歯の穴には汚れや細菌が付着している可能性もあるため、歯科医院で清掃及びチェックをしてもらわなければなりません。
家庭用の瞬間接着剤、工作用接着剤、入れ歯安定剤などで固定することも避けてください。家庭用接着剤は口の中での使用を前提とした材料ではなく、誤った位置で固まると、歯科医院で除去する際に余分な処置が必要となり、残っている歯にダメージを掛けてしまいます。今から挙げるような行為も避けておきましょう。
穴を舌、爪、つまようじで繰り返し触る
ガム、キャラメル、餅など粘着性の高い物を食べる
硬いせんべい、ナッツ、氷などを外れた側で噛む
痛みがないため何週間も放置する
残っている詰め物の一部を自分ではがす
消毒薬を歯の穴へ直接入れる
穴を一時的にふさげばよいと考えがちですが、自己流の処置は再治療を難しくします。患者さん自身で行うことは、清潔を保ち、刺激を避け、歯科医師が確認するまで触りすぎないことです。
痛い・しみる・腫れている場合の受診目安
痛みやしみる、腫れなど大まかに症状を分けて受診目安を考えましょう。
痛みはなく、軽い違和感だけの場合
痛みがないからと、取れた歯を放置してはいけません。外れた原因は接着材の劣化以外に、詰め物の下の虫歯、歯のひび、噛み合わせ、歯ぎしりなどの可能性があるからです。休診期間が短く、腫れや強い痛みがなければ、先述した応急処置を続け、診療再開後に早めに受診してください。
冷たい物や空気でしみる場合
象牙質が露出していると、冷水、熱い飲み物、甘い物、歯ブラシの刺激でしみることがあります。刺激を避け、反対側で噛み、口の中を清潔に保ちましょう。しみるだけだからと放置すると、内部の虫歯や炎症が進んでいた場合症状が強くなります。できるだけ早い受診が必要です。
ズキズキする痛みがある場合
服用しても問題のない市販の鎮痛薬がある場合は、用法・用量に従って使用してください。ただし、持病がある方、妊娠中・授乳中の方、他の薬を服用中の方、薬のアレルギー歴がある方は、薬剤師や医療機関に確認しましょう。鎮痛薬で痛みが和らいでも、治ったわけではなく、休日期間に診療する歯科医院へ相談か、診療再開後すぐにかかりつけ医を受診しましょう。
歯ぐきや顔が腫れている、発熱している場合
今から挙げるような症状が出ていれば、単に詰め物が外れただけではなく、感染や強い炎症が起きている可能性があります。
- 歯ぐきや頬が腫れている
- 歯ぐきから膿が出ている
- 発熱している
- 鎮痛薬を飲んでも強く痛む
- 口を開けにくい
- 痛みで眠れない
- 腫れが急速に広がっている
一つでも当てはまれば、お盆休みが終わるまで待たず、休日歯科診療所や救急対応の医療機関へ連絡してください。特に、舌や喉が急に腫れる、息が苦しい、唾液を飲み込みにくい、意識がおかしいなどの症状は、通常の歯科受診を待つ状況ではありません。119番への連絡を含め、緊急対応を検討してください。総務省消防庁のQ助でも、症状に応じた緊急度や受診方法を確認できます。
年末年始・お盆休みに診てもらえる歯科医院の探し方
かかりつけの歯科医院が休みの場合、医院の公式サイト、予約システム、留守番電話を確認します。地域の休日歯科診療所や、当番医については、見つからなければ次の順番で探すと効率的です。
- 市区町村名+休日歯科診療
- 都道府県名+歯科医師会+休日診療
- 現在地+歯科+日曜・祝日
- 自治体の公式サイトにある休日・夜間診療案内
- 医療情報ネット(ナビイ)
ウェブサイトに掲載されている診療時間と当日の受付状況が異なることがあるため、受診前には必ず電話で確認してください。電話で状態を説明する場合、いつ、どのような状態で取れ、保管の可否、症状を端的に説明すると、クリニック側も受診の必要性や対応可能な処置を確認しやすいです。例を挙げると、「今日の食事中に奥歯の詰め物が取れました。取れた物は保管しています。冷たい物が少ししみますが、腫れや発熱はありません。本日診てもらうことはできますか」
休日診療では、痛みを抑える処置や仮の修復などの応急処置が中心となります。その後、かかりつけ歯科医院で改めて検査や継続治療が必要になる可能性が高いことも覚えておきましょう。
詰め物が取れたまま何日なら大丈夫?放置するリスク
連休が終わるまで数日だから大丈夫と勝手に判断することはできません。歯の状態、詰め物の大きさ、虫歯の有無、症状によって緊急度が異なるためです。ただし、痛みや腫れがなく、数日間の休診であれば、適切な応急処置をしながら診療再開後の早い日程で受診しましょう。
早めに歯科医院へ連絡を要するケース
今から挙げるような状態ならば、より早く歯科医院へ連絡した方がよいでしょう。
- 被せ物が丸ごと取れた
- 治療途中の仮歯や仮詰めが外れた
- 残った歯が鋭く欠けている
- 歯の土台がぐらついている
- 強くしみる、またはズキズキ痛む
- 顔や歯ぐきが腫れている
詰め物が取れたまま放置すると、露出した部分に食べかすや歯垢がたまり、虫歯が進行します。残っている歯が欠ける、隣の歯や噛み合う歯が動いて合わなくなる、神経の治療が必要になるといったトラブルになります。
早期なら再装着や小さな修復で済むケースでも、状態が悪化すると、新しい詰め物・被せ物の作製や根管治療など、治療範囲が広がる可能性があります。特に注意したいのが、治療途中の仮詰めです。仮詰めは、削った歯を刺激や細菌から守り、根管治療中であれば内部への汚染を防ぐ役割があります。仮歯や仮詰めが外れた場合は、次回予約まで勝手に判断せず、治療中の歯科医院へ連絡してください。
歯科医院ではどのような治療をする?
取れた詰め物の破損や変形、歯の穴の状態、虫歯の有無、噛み合わせなどを確認します。必要に応じてレントゲン検査を行い、目で見えない部分まで調べます。主な治療内容を挙げていきます。
そのまま再装着する
詰め物が破損しておらず、歯にも大きな虫歯や欠けがなく、適合に問題がなければ、内部を清掃してから再装着できる場合があります。ただし、見た目にはきれいでも、歯との間に隙間ができている、変形している、噛み合わせが合わなければ再装着できません。
新しく作り直す
変形や破損、歯の形が変わっている、噛み合わせに問題がある、内部に虫歯がある場合は、新しい詰め物を作ります。白いコンポジットレジンが欠けた場合は、取れた部分を戻すのではなく、改めて材料を詰め直すことが一般的です。
虫歯や歯の神経を治療する
詰め物の下で虫歯が進行している場合は、虫歯を除去してから修復します。炎症が神経に達している場合は、根管治療が必要となります。
必ず再利用できるわけではありませんが、詰め物の状態は外れた原因や治療方針を考える材料になるため、捨てないことが大切です。
お盆や年末年始の前にできる予防策
詰め物が取れる主な原因は、接着材の経年劣化、詰め物の下にできた虫歯、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの偏り、詰め物や歯自体の破損、硬い物や粘着性の高い食品を食べたこと、残っている歯質が少ないなどが考えられます。同じ場所が何度も外れる場合は、単に付け直すだけでなく、根本的な原因を調べてもらいましょう。長期休暇の前にできる対策として、次の点が挙げられます。
| 対策 | 具体的なポイント |
|---|---|
| 定期検診を受ける | 詰め物の浮きや劣化、下に虫歯ができてないか確認してもらう |
| 境目を丁寧に磨く | 詰め物と歯の境目に歯垢が残らないよう、力を入れすぎず丁寧に歯磨きする |
| 補助清掃用具を使う | フロスや歯間ブラシを使い、歯ブラシだけでは届きにくい部分の汚れを落とす |
| 歯ぎしり・食いしばりに対処する | 自覚がある場合は歯科医師に相談し、マウスピースなどを検討する |
| 粘着性の高い食品に注意する | キャラメル、ガム、餅などを勢いよく噛まず、強い力をかけない |
| 休診日を確認する | 旅行や帰省の前に、かかりつけ歯科医院の年末年始・お盆期間の休診日を確認する |
| 休日の受診先を調べる | 滞在先に休日歯科診療所や救急対応の歯科医院を事前に確認しておく |
| 違和感を放置しない | 痛み、しみる症状、詰め物の段差に違和感があれば、連休に入る前に受診する |
症状がないから問題なしとは限りません。連休直前に違和感、段差、噛んだときの痛み、フロスの引っかかりがあれば、休みに入る前に相談しましょう。
歯の詰め物が取れたときのよくあるご質問
歯の詰め物が取れた際に関するよくあるご質問をまとめました。
Q1.お盆休みに歯の詰め物が取れたら、翌週まで待ってもよいですか?
腫れや強い痛みがなく休診が数日程度であれば、外れた側で噛まない、刺激物を避ける、清潔を保つといった応急処置をし、診療再開後の早い日に受診します。ただし、痛みが強くなる、腫れる、発熱する、被せ物や仮詰めが取れたといった場合は、休日診療へ相談してください。
Q2.取れた詰め物は水に入れて保管した方がよいですか?
歯そのものが抜けた場合とは対応が異なります。取れた詰め物は、水で軽く汚れを流し、清潔なケースや袋に入れて持参してください。紛失しないようにしましょう。
Q3.取れた穴を市販の材料で埋めてもよいですか?
勝手に接着剤や別の材料を入れるのは避けましょう。ずれた位置で固まり、細菌や汚れを閉じ込め、除去時に歯へ負担がかかるなどの問題があります。歯科医院で適切に清掃し診断してもらいましょう。
Q4.詰め物を飲み込んでしまった場合はどうしますか?
まず呼吸状態を確認してください。むせ、息苦しさ、強い咳、喉の違和感がある場合は、気道に入った可能性も考え、速やかに医療機関へ相談します。症状がなくても、紛失した歯の治療は必要です。
Q5.旅行先の歯科医院で応急処置を受けてもよいですか?
問題ありません。痛みや腫れがある場合は、旅行先や帰省先の休日歯科診療所を利用しましょう。処置内容や撮影した画像、処方された薬が分かる書類を保管し、帰宅後にかかりつけ歯科医院へ伝えると、その後の治療が進めやすくなります。
Q6.痛くなければ、詰め物が取れたままでも大丈夫ですか?
痛みがなくても放置は避けてください。詰め物の下で虫歯が進んでいたり、歯にひびが入っている可能性があります。症状の有無にかかわらず、診療再開後に早めに歯科医院を受診してください。
まとめ
お盆休みや年末年始に歯の詰め物が取れたときは、取れた物を清潔に保管し、穴を触りすぎず、外れた側で噛まず、冷たい物、熱い物、甘い物を避けてください。自分で戻すことや家庭用接着剤の使用は避け、痛みがなくても歯科医院の診療再開後に早めに受診します。強い痛み、歯ぐきや顔の腫れ、発熱、膿などがあれば休日歯科診療所へ相談し、舌や喉の急な腫れ、呼吸困難、飲み込みにくさなどがある場合は医療機関への連絡となります。
応急処置は受診まで歯を守るためであり、外れた部分は良くなりません。症状が軽くても放置せず、歯科医師の診察を受けましょう。




