歯と口のトラブル

口内炎の治し方 医療機関での治療とセルフケア

口内炎の治し方 医療機関での治療とセルフケア

口内炎は一般的な口腔内の病気で、多くの人が経験しています。痛みが伴い、日常生活に不便や苦痛をもたらしますが、適切な知識と対策を身につければ、早期に治療することが可能です。

口内炎の一般的な原因

口内炎の原因は様々ですが、大きく分けて、物理的な刺激、化学的な刺激、食事の乱れ、ストレス、ビタミン不足などが挙げられます。特に、辛い食べ物や硬い食べ物による刺激が直接的な原因となるケースは多いです。

症状の種類ごとの治療方法

口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる症状が見られます。一般的なものは、軽い痛みを伴う赤い斑点が口腔内に現れる単純性口内炎です。一方で、繰り返し発生する、または治癒が遅い口内炎は、病気のサインである可能性があるため、注意が必要です。

口内炎は多くの場合、数日で自然に治癒していきますが、症状によっては医療機関での治療が必要になることもあります。痛みが強い、広範囲にわたる、治癒が遅いなどの特徴がある場合は、専門家の診察をお勧めします。

口内炎の治療方法

口内炎の治療法はその原因や症状の重さによって異なりますが、痛みの緩和と治癒の促進が主な目的です。以下に、医療機関で行われる治療法と自宅でできる対処法についてご説明します。

医療機関での治療法

1. 薬物治療

口内炎の治療には、消炎作用を持つ薬剤や、痛みを和らげる鎮痛剤が一般的に使用されます。重症の場合には、ステロイド剤が処方されることもあります。

2. レーザー治療

近年、痛みを伴う口内炎に対し、レーザー治療が効果的であるとされています。レーザーにより直接患部を処理することで、痛みの軽減と治癒の加速が期待できます。

家庭でできる治療法

1. ドラッグストアで薬を購入

ドラッグストアで口内炎に効く市販薬を購入します。飲む、塗る、貼る、スプレータイプなどの種類があります。症状によって選びましょう。どれが良いかわからない場合は、薬局に常駐している薬剤師に相談しましょう。

2. 塩水でのうがい

口内を清潔に保つことは、口内炎の治療において基本です。塩水でうがいをすることで、患部を消毒し、痛みを和らげることができます。

3. 歯磨き、マウスウォッシュ

口内炎が出来たばかりの時は、痛みを感じても歯磨きは怠らないようにしましょう。痛いからといって歯磨きをサボると口内で細菌が繁殖し、炎症が酷くなる場合があります。

アルコール入りのマウスウォッシュを使用するとしみるので、アルコールが入っていないものか低刺激タイプを選ぶことをおすすめします。

4. ハチミツの使用

抗炎症作用があるハチミツを口内炎に塗ることで、痛みの緩和と治癒の促進が期待できます。

口内炎は多くの場合、適切なケアにより自宅でも改善が見込めますが、症状が長引く場合や、悪化する場合は、専門医の診断を受けることが重要です。

食生活と口内炎

口内炎の発生や治癒には、毎日の食生活も大きな影響があります。バランスの良い食事は、口内炎の予防と治療をサポートします。

口内炎を悪化させる食べ物

以下の食べ物は、口内炎を悪化させる可能性がありますので、痛みがある間は控えましょう。

辛いもの、酸味の強いもの

辛い料理や柑橘類のような酸味の強い食べ物は、口内炎を刺激して、痛みや炎症を悪化させることがあります。

硬い食べ物

チップスやナッツなど、硬い食べ物は口内炎に刺激を与え、痛みを引き起こしたり、患部を悪化させる原因となります。

熱い食べ物

熱い食べ物や飲み物は口内炎を刺激しますので、常温または冷たい飲み物を飲むようにしましょう。

口内炎予防に良い食べ物

口内炎の予防に役立つのは以下のような食べ物です。

ビタミンB群を豊富に含む食品

全粒穀物、ナッツ、緑黄色野菜などはビタミンB群が豊富で、口内炎の予防に効果的です。

ビタミンCを豊富に含む食品

イチゴやキウイ、ブロッコリーなど、ビタミンCが豊富な食品は、口内の健康維持に役立ちます。

専門家に相談すべきタイミングについて

口内炎は殆どの場合、自宅でのケアや生活習慣の改善で治癒しますが、症状が長引く場合や患部が大きく腫れている場合は、医療機関を受診しましょう。また、少しでも早く治したい場合も、医療機関での治療をおすすめします。

いつ医療機関を受診するべきか

症状が2週間以上改善しない場合

通常、口内炎は1~2週間で自然に治ります。もし2週間を過ぎても症状が改善しない場合は、専門家に相談することをお勧めします。

極端な痛みや大きな潰瘍がある場合

通常よりも痛みが強い、または大きな口内炎ができた場合、専門的な診断と治療が必要な場合があります。

発熱や全身の不調が伴う場合

口内炎とともに発熱や全身の倦怠感がある場合は、他の病気のサインである可能性があります。

自己判断できない症状

似たような症状が繰り返し現れる場合

同じ箇所に繰り返し口内炎ができる場合、根本的な原因を調査する必要があります。

口内炎以外の異常がある場合

口内炎に加えて、口の中に白い斑点が現れたり、出血がある場合は、専門家の診断を受けるべきです。

口内炎は良くある些細な問題に思えるかもしれませんが、時にはより深刻な健康問題の兆候であることもあります。そのため、上記のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

口内炎の治療は何科を受診すれば良いの?

口内炎を専門で診療するのは主に耳鼻咽喉科ですが、歯科(口腔外科)でも診療可能です。まず受診前に電話などで確認しましょう。

まとめ

口内炎は痛みや腫れなどの不快な症状を引き起こし、食事にも影響を与えますが、適切なケアと予防策によって悪化させずに治すことが出来ます。日常生活で実践できる注意点と予防策は以下のようなものです。

日常生活で気をつけるべきこと

1. お口の中を清潔に保つ

定期的な歯磨きとデンタルフロスの使用で、口腔内の汚れを落として清潔に保ちましょう。

2. バランスの良い食事を心がける

栄養不足が口内炎の一因になることがあります。バランスの取れた食事で、必要な栄養素を摂取しましょう。

3. ストレスを管理する

過度のストレスは免疫力を低下させ、口内炎を起こすことがあります。リラクゼーションや軽い運動などでストレスを管理しましょう。

口内炎の繰り返しを防ぐためのアドバイス

1. 刺激性ある食品や飲料を避ける

辛い食べ物やアルコール、熱い飲み物などが口内炎を悪化させる可能性があります。

2. 口の中を定期的にチェックする

セルフチェックを行い、異常があれば早めに医療機関を受診しましょう。

口内炎のケアと予防は、日々の小さな習慣の積み重ねによって大きく改善されます。この記事で紹介したポイントを実践することで、健康な口内環境を維持し、口内炎のリスクを減らすことができます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス