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子供の口呼吸はやめさせるべき?なぜダメなの?

子供の口呼吸はやめさせるべき?なぜダメなの?

クローバー歯科豊中駅前アネックス 歯科医師 中西 洋介

子供の口呼吸はやめさせるべきという話を聞いたことはありませんか。子どもの口呼吸を続けるとどんなことが起きるか、口呼吸を鼻呼吸にすればどう良くなるかについてご説明します。

口呼吸とは

口で息を吸ったり吐いたりすると何がダメなのでしょうか。口で呼吸を行うということは口腔内に空気が常に入っている状態です。鼻毛や鼻の粘膜は空気清浄機のフィルターの役割を担っています。鼻で呼吸を行う鼻呼吸は鼻のフィルターを通して気管へ入るため、お口の中が乾燥することがありません。

口呼吸がダメな理由

口呼吸の場合は口で息を吸って気管へ入れるため、歯や歯肉などの歯周組織、唇などがひび割れたり、常に乾いた状態になります。そのため、自浄作用のある唾液が分泌されてもすぐに乾燥し、細菌の繁殖しやすい環境です。下記のいずれかに当てはまるお子さんは、口呼吸の可能性が高いです。








子供のお口ポカン放置するとダメ?

無意識下でお口を開けたままの状態をお口ポカンやポカン口と一般的に言います。歯科医院では口唇閉鎖不全と専門的に呼ぶ状態です。お口ポカンをわざわざ歯医者さんで改善しなければならないのか、疑問に思われるパパやママもおられるでしょう。お口ポカンによる口腔内の乾燥が原因で起こるお口のトラブルは下記の通りです。

1.虫歯・歯周病・口臭

唾液は歯に付着した汚れや歯垢(プラーク)を洗い流します。唾液が少なく乾燥してしまうと、お口の中に細菌が繁殖しやすい乾燥状態になります。虫歯の場合は、エナメル質から象牙質、神経(歯髄)、歯の根(歯根)まで進行すると、歯根に膿の袋(嚢胞)ができ、歯は抜けてしまいます。歯周病の場合は、歯茎に炎症や腫れを起こさせ、重度になれば膿や口臭が出て、歯は不安定になり、歯槽骨が溶けた状態になります。

2.不正咬合

鼻呼吸できる綺麗な歯並びの方は、上顎の部分に舌の先端が触れて、お口元や舌の筋肉もきちんと発達しています。ただ、お口を開けたままの状態の方は、舌の位置が下顎になり、お口周りや舌の筋肉のバランスが悪くなります。上顎に舌の先端が触れないため、上顎が狭くなるため、歯並びが悪くなるケースが多いのです。出っ歯(上顎前突)・お口が閉じられない(開咬)・受け口(下顎前突・反対咬合)・歯のガタガタや八重歯(叢生)になってしまい、歯列矯正が必要となります。

3.風邪などの病気にかかりやすい

ウィルスや細菌などを空気と一緒に吸い込んでも、鼻呼吸の場合は鼻で止めることが可能です。ただ、口呼吸の場合は、直接気管へ吸い込んでしまうため、扁桃炎やインフルエンザなどの感染による病気にかかりやすくなります。

4.顔立ちの変化

口呼吸でしか呼吸を行えないお子さんは、アデノイド顔貌になる傾向があります。アデノイド顔貌とは、口元が前方に突出していて、下顎が後退して、顎と首の境目がわかりにくいというのが特徴です。アデノイドは喉と鼻のさらに奥にある組織で、扁桃腺は左右にありますが、アデノイドは上方奥にあるとお考えください。アデノイドが肥大し呼吸がしづらいため口呼吸になったり、口呼吸によりアデノイドは大きくないのに日常の習慣により、アデノイド顔貌のようになることがあります。

参照先:新潟大学

子供の口呼吸は改善した方が良い?

上記のように子供の口呼吸には健康上の問題を引き起こすリスクがあります。日常的に口呼吸を行っているお子さんは早めに歯科へ通院しましょう。

できれば、小児歯科や小児矯正を行っているお子さんに慣れている歯科医院を受診することをおすすめします。ポカン口は悪習癖の一部で、専門的なトレーニング(MFT)を受けることで改善します。

他によく挙げられる悪習癖には、頬杖・指しゃぶり・うつぶせ寝・爪を噛む・舌で前歯を押す・舌を歯と歯の間から出す・片側噛みなどがあります。

MFTとは

口腔筋や唇、舌や喉などを正常な位置に戻し、正しく噛むための訓練のことをMFT(口腔筋機能療法)といいます。MFTを行えば口呼吸が鼻呼吸に変わり、より咀嚼がしやすい状態に変化します。

  1. スポットポジション / 舌の先を置く位置を覚える
  2. ポッピング / 舌を上へ持ち上げる力をつける
  3. スラ―プスワロー / 舌を上げてストローを噛んで正しい飲み込み方を覚える
  4. ポスチャー / 舌先をスポットに置き、唇を閉じたままストローを噛む

このような舌の体操を行うと共に、あいうべ体操と呼ばれるお口の周りの筋肉の簡単なトレーニングを行うと効果があります。

子供の口呼吸はやめさせるべきに関するQ&A

口呼吸がダメな理由は何ですか?

口呼吸を続けていると口腔内が乾燥しやすく、歯や歯肉、唇がひび割れたり乾燥した状態になることが挙げられます。口の中が乾燥すると自浄作用のある唾液が不足し、細菌の繁殖を招く可能性が高くなります。口呼吸の子供は虫歯や歯周病、口臭にかかりやすくなることもあります。

口呼吸が引き起こす可能性のある健康問題は何ですか?

口呼吸が引き起こす可能性のある健康問題として、虫歯や歯周病、口臭が挙げられます。口腔内の乾燥により細菌が繁殖しやすくなり、これらの症状が発生する可能性が高くなります。また、口呼吸によって不正咬合(歯並びの問題)が進行する場合もあります。

口呼吸の改善方法としてどのような療法がありますか?

口呼吸の改善方法として口腔筋機能療法(MFT)が挙げられます。MFTでは口腔筋や唇、舌、喉を正常な位置に戻し、鼻呼吸や咀嚼を促進するトレーニングを行います。具体的な方法として、舌の先を置く位置を覚えるスポットポジションや舌を上へ持ち上げる力をつけるポッピング、舌を上げてストローを噛んで飲み込み方を覚えるスラープスワローなどがあります。

まとめ

歯のキャラクター
健康上リスクが多い口呼吸はお子さんに良いことがありません。子供の口呼吸が気になる場合は、定期的にフッ素塗布や検診を受けている歯医者さんへ一度お気軽にご相談ください。歯科矯正であごの発達をコントロールしつつ、自宅でもMFTの訓練を継続すれば、鼻呼吸をしやすい状態に改善する可能性があります。

クローバー歯科豊中駅前アネックス