審美歯科

セラミック治療の後に知覚過敏になったのはなぜ?

セラミックの後に知覚過敏になったのはなぜ?

クローバー歯科豊中駅前アネックス 歯科医師 中西 洋介

今日は、セラミック装着後に起こる可能性のある様々な痛みと知覚過敏の痛みについてご説明します。

セラミックで詰める・被せるとは?

前歯が虫歯になると、銀合金ではなくセラミックの材料で治療の方法を選択される方が多いです。前歯の虫歯治療は奥歯の虫歯治療と同じように行われます。まず虫歯になっている部分をきれいに削り取り、痛みが出れば神経(歯髄)を抜く処置を行います。その後、セラミックの素材を詰めたり、被せる治療を行います。

セラミックは自費治療で高い費用がかかりますが、保険適用内の銀歯と比べて、金属アレルギーの方でも使用できますし、天然の歯と見分けがつかないくらい自然な色に作れるため、審美性が高い詰め物(インレー)・被せ物(クラウン)と言えます。

オールセラミックとジルコニアセラミックの特徴の違い
  • オールセラミックは見た目が美しく、前歯に使用できるセラミック
  • ジルコニアセラミックは強度があり、奥歯に使用できるセラミック

セラミック後に起こりやすい痛み

セラミックで治療した後に下記のような痛みが起こる場合があります。

  1. 治療後すぐに痛んだ
  2. 冷たい飲み物や熱い飲み物を飲んだら歯にしみる
  3. 食べ物を噛んだ時に痛みを覚える
  4. 何も口に入れていない状態でも違和感がある
  5. 少し前にセラミック治療した歯が痛む

これらのいずれかの症状が出た場合は、早めに歯医者さんに相談しましょう。痛みが起こった原因としては、下記のようなものが考えられます。

  1. 神経を残す治療を選択し、神経が一時的に過敏になっている
  2. セラミックの噛み合わせが合っていない
  3. インレーの下で二次むし歯が進行している
  4. 知覚過敏になっている
  5. セラミックが欠けたり割れたりした

知覚過敏とは

知覚過敏という言葉は一般的によく知られている言葉ですが、具体的な症状についてご案内します。歯の表面にはエナメル質という人間の体の中でも硬い組織があります。エナメル質の内側には象牙質があり、その象牙質から神経(歯髄)に向かって象牙細管が通っています。虫歯以外にも加齢や歯周病で歯茎が下がると、象牙細管がエナメル質に守られず、直接口腔内へ露出し刺激が伝わり、痛みと感じて知覚過敏は起こります。

知覚過敏の方がセラミック治療を受けると・・

歯ぎしりや食いしばりが原因で歯の表面のエナメル質が削られて知覚過敏になるケースがあります。そのような方がセラミックの詰め物をすると、詰め物が外れやすかったり、詰め物が割れてしまうことがあります。

そのため、歯ぎしり・食いしばりのある方にはセラミックではなく金属の詰め物をお勧めします。

セラミック治療後に歯茎が下がって知覚過敏が起こることもある

歯周病になると、歯茎の退縮が起こって、歯茎に埋まっていた歯の根本の象牙質が露出する場合があります。その場合に知覚過敏が起こって歯がしみることがあります。

歯周病が原因の知覚過敏のケースでは、歯周病の治療と共に、露出した歯の根をコーティングする治療を施す場合もあります。

お口のクセがある方は要注意

食いしばりや歯ぎしりなどのお口のクセがある方は、上下の歯でギリギリと噛みしめるため、歯の摩耗により知覚過敏が起きやすい状態です。セラミックの歯を入れると、割れたりしみる可能性があり、程度によってはセラミック治療は避けるように提案する場合も多いです。歯茎下がりで露出した象牙質には、コーティング剤を塗ってあげると効果があります。歯科医院へ定期的に通院している方は、歯科医師にご相談ください。

セラミックで症状が出た時の対処法

セラミックで下記のような症状が出た際の対処法についてご説明します。

治療後すぐの痛み

このケースでは、接着剤と歯の関係が大きく占めますので、注意しながら様子を見ましょう。また、熱い物や冷たい物を摂取した際の痛みは、治療直後であれば温度差のある食べ物や飲み物は、できるだけ避け、ある程度の日にちが経過してから口にしてみましょう。

噛むとしみる・何もしていない状態でも違和感がある・少し前に治療した歯が痛む

このケースでは、二次虫歯や知覚過敏、もしくはセラミックの噛み合わせや高さが合っていない場合があります。痛みが続くならば、ドクターがセラミックを除去し、新たにセラミックを作製する対処を必要となります。

二次虫歯

通常の虫歯と違い、二次むし歯は詰め物の下で進行してしまいます。そのため、歯を失う原因になり義歯治療が必要となります。知覚過敏は食べ物を噛む時に痛みが生じて噛みづらければ片側噛みをする原因になります。そのため、お口元の筋肉の発達が変わり、お顔の左右バランスが崩れる可能性があります。

噛み合わせや高さが合っていない

咀嚼をする際に特定の歯に負担がかかり過ぎてしまい、他の歯の寿命を早めたり、顎関節症を引き起こすリスクが高まるので、調整を行うことが必要です。頬や顎に痛みを感じる前に早めの対処が大事です。

セラミック治療の後に知覚過敏になったに関するQ&A

知覚過敏とは何ですか?

知覚過敏とは、歯のエナメル質の内側にある象牙質から神経(歯髄)に向かって通っている象牙細管が露出し、口腔内からの刺激によって歯に痛みや違和感を感じる症状です。加齢や歯周病、虫歯によって引き起こされることがあります。

セラミック治療後に痛みが起こった場合、何が原因と考えられますか?

セラミック治療後に痛みが生じる原因として、神経が一時的に過敏になっていること、セラミックの噛み合わせが合っていないこと、インレーの下で二次むし歯が進行していること、セラミック自体が欠けたり割れたりしたことが考えられます。

知覚過敏が起きる可能性を高める要因は?

食いしばりや歯ぎしりなどのお口のクセがある方は、上下の歯でギリギリと噛みしめるため、歯の摩耗によって知覚過敏が起きやすくなります。また、セラミックの噛み合わせや高さが合っていない場合も知覚過敏を引き起こす可能性があります。

まとめ

歯のキャラクター
歯科医師がしっかり虫歯を取り除き、必要な場合は神経の治療を行い、患者さんの歯並びに合ったセラミックをつければ、このようなトラブルは限りなく低くなります。白く美しい歯にしたいと思われたならば、審美歯科があるクリニックのカウンセリングへ行ってお悩みをご相談ください。オールセラミック、ジルコニアセラミックなどの料金は保険適用外のため医院により異なります。審美歯科のある医院できちんと安全に治療を受け、クリーニングやメンテナンスなどのアフターフォローがしっかりしていることも大切です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス