予防歯科

どうすれば歯を長持ちさせられるの?

どうすれば歯を長持ちさせられるの?

歯を長持ちさせるためには、虫歯や歯周病を防ぐ必要があります。どのようにすれば虫歯や歯周病を予防して歯を長持ちさせられるのかについてご説明します。

歯周病にならずに歯を長持ちさせるためには

歯周病とは

歯周病は歯周病菌と呼ばれる細菌によって起こります。細菌の出す毒素によって歯茎が腫れ、徐々に歯の周囲の組織が壊されていきます。初期の歯周病は自覚症状がないため、気づいた時には歯周病がかなり進行して、歯がグラグラになり、やがて歯が抜けてしまうこともあります。

初期の歯肉炎の状態で治療を開始出来れば、完治させることが出来ますが、進行が進んで歯周組織がかなり破壊されてしまった場合は、歯周組織は元に戻りませんので、歯を長持ちさせるためには、歯周病の進行を食い止めなければなりません。

歯周病予防のためには

歯周病を予防するためには、お口の中から歯周病菌を減らさなければなりません。歯周病菌は空気を嫌う嫌気性の細菌ですので、歯垢や歯石の中、歯周ポケットの中で繁殖します。

1.丁寧に歯磨きする

歯垢を歯から除去するためには、毎日の丁寧な歯磨きが必要になりますが、歯と歯の間や歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)から歯垢を取り去るには、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシの使用をお勧めします。

2.年に2~4回程度の歯の定期健診を受ける

毎日歯磨きしていても、歯垢が溜まりやすい場所があったり、歯石が出来ていると、歯磨きでは落とせません。そのため、定期健診で歯周病になっていないかの診断を受けると共に、クリーニングを受けて頂くと、歯周病予防に効果的です。

虫歯にならずに歯を長持ちさせるためには

虫歯の進行

虫歯とは

虫歯も細菌による感染症で、3歳頃までに周囲の大人(両親、祖父母など)からうつる場合が多く、うつってからはお口の中の虫歯菌を増やさないようにすることが虫歯予防になります。

虫歯予防のためには

1.デンタルフロス、歯間ブラシを使う

歯ブラシだけでは歯の汚れは6割程度しか落とせないといわれます。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシをプラスして、歯と歯の間や歯と歯茎の間の歯垢を効果的に除去しましょう。

虫歯になりやすい場所を丁寧に歯磨きしましょう

  • 歯と歯の間
  • 奥歯の溝(咬合部:こうごうぶ)
  • 歯の根元(歯頚部:しけいぶ)

2.食後や寝る前に歯みがきをしよう

汚れを歯に残さないためには、1日2回の歯みがきが必要です。食後はお口の中が酸性になり、歯のエナメル質が溶けるため、食後10~15分以内の歯磨きがおすすめです。

また、就寝中は唾液の分泌が減ってお口の中が乾燥し、細菌が活発になります。そのため、寝る前に歯磨きをしてお口の中から細菌を減らしておきましょう。

3.フッ素で歯をガードしよう

フッ素は歯を丈夫にしてくれるため、フッ素入りの歯磨き剤の使用がおすすめです。

4.食後のキシリトールガムやタブレット

キシリトールは虫歯予防効果が実証されている天然由来の甘味料です。虫歯菌は糖を食べて酸を作り出しますが、キシリトールは虫歯菌に分解されず、酸を作るための原料になりません。さらに、歯から失われたミネラルを補給する、再石灰化を促進する作用があります。

キシリトールの効果的な摂取としては、食後にキシリトール入りのガムやタブレット(キシリトール100%のものが理想)を摂ることをおすすめします。

5.歯の定期健診を受けよう

歯医者で年に2~4回の定期健診を受けて頂くと、磨き残しの部分や、隠れた虫歯や歯肉炎など、自分では気づきにくい問題がわかり、虫歯や歯周病を初期の段階で見つけることが出来ます。

日本人が歯を失う原因は?

抜歯の原因は?

歯を長持ちさせるためには、多くの方がどの年齢でどのような理由で歯を失うかを調べて、予防方法を考えていくのが、歯を長くもたせるための近道になります。

日本人が歯を失う上位の3つの原因は以下の通りです。

  1. 歯周病・・4割
  2. 虫歯・・3割
  3. 破折・・1割

歯周病や破折で歯を失う年齢は主に中高年からです。一方虫歯で歯を失う方は、どの年齢にもみられます。

歯の破折が起こるのは、事故や転んだ、ぶつけた、なども含まれますが、多くは一度虫歯治療をして神経を抜いた歯の根にひびが入った、割れた、というものです。
(永久歯の抜歯原因調査報告書:8020推進財団:2005)

以上のことから、中高年になって歯を失わないためには、若いうちから歯周病や虫歯の予防をする必要があることがわかります。

歯を長持ちさせる方法に関するQ&A

歯周病で歯を失う主な年齢層はどれくらいですか?

歯周病で歯を失う主な年齢層は、主に中高年です。歯周病による歯の喪失は、中高年になると増加します。

歯の破折の主な原因は何ですか?

歯の破折の主な原因は、事故や転倒、ぶつけるなどの外的要因がありますが、一般的には一度虫歯治療をして神経を抜いた歯にひびが入ったり、割れたりすることが主な原因です。

歯周病の予防にはどのような方法がありますか?

歯周病の予防には、以下の方法が効果的です。
・歯磨きを丁寧に行うこと:歯間ブラシやデンタルフロスを使い、歯周ポケットの中の歯垢を取り除く。
・定期的な歯の定期健診:歯周病の早期発見と適切な治療のために、2~4回の定期健診を受ける。

まとめ

歯のキャラクター

歯を長持ちさせるためには、日本人が歯を失う理由の上位二つである歯周病と虫歯を予防しなければなりません。どちらも予防の基本は、歯に歯垢を残さないことです。ご家庭でのセルフケアに加えて、3~4ヶ月おきに歯の定期健診を受けて頂くことで、初期段階の虫歯や歯周病が見つかり、初期のうちに治すことが出来ます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス