矯正歯科

矯正で歯が動かない?

矯正で歯が動かない?

矯正で歯が動かないケースがあるのをご存知でしょうか。歯が動かない原因は、歯に強い力がかかる癖があったり、アンキローシスであるということが多いです。

矯正の前にお口をチェック!

歯列矯正は健康な歯や歯肉のまま、歯を支える骨を代謝により作っていき、位置を変えていく治療です。歯列矯正を行う前にお口の状態を確認し、健康な歯や歯肉であるかどうか歯科医師がチェックします。歯周病や虫歯に感染しまま治療を行うと、矯正器具の装着の際に顎の骨が弱くなったり、重度に悪化する可能性があるため、虫歯や歯周病が完治後に矯正治療を行います。もちろん口腔内の健康状態以外に精密検査も行うことが大切です。

矯正治療にはワイヤーブラケットやマウスピースを装着しますが、治療期間が延びれば費用もまたかかります。ただ、お顔の筋肉量に個人差があるように、歯が動く人や動きにくい人についてそれぞれ程度や差があります。矯正が必要と診断される歯並びには、出っ歯(上顎前突)・受け口(下顎前突)・歯のガタガタや八重歯(叢生)・すきっ歯(正中離開)・口元の突出感(上下顎前突)・噛み合わせが深い(過蓋咬合)などの不正咬合があります。

矯正で歯が動く人

歯並びの問題(不正咬合)が軽度ならば歯を動かす距離が少なく済み、治療期間も短くなります。また、新陳代謝が活発な方や、若い年齢の方も歯が動きやすいです。矯正は歯を支える骨(歯槽骨)を吸収し動かしたい方へ骨を作るのを繰り返す治療なので、新陳代謝を良くするためには規則正しい生活習慣を行いましょう。また、担当医の指示をきちんと守って矯正装置を装着できるかという点も大事です。

矯正で歯が動かない人

不正咬合がどれだけ軽度の方でも矯正の装着時間をさぼってしまうと、歯は動きません。歯並びの程度が重度の方は、歯を動かす距離が長いため、歯が動きにくいと感じます。

  • 歯を舌で押す
  • 頬杖
  • うつぶせ寝
  • 片側噛み

これらの癖がある方は、歯の動きを妨害してしまいます。歯や歯肉だけではなく、歯根膜が健康な幅を保っていない方も同様です。

歯根膜の働きとアンキローシスについて

通常の歯には歯の根の周りに歯根膜という繊維状の組織があり、その周りに歯槽骨と呼ばれるあごの骨があり、噛んだ刺激が脳へ伝達されます。歯根膜は食べ物を噛む際に歯にかかる力を吸収し、直接歯にかかる衝撃を和らげる機能があり、矯正の際は下記のように動いていきます。

歯根膜と矯正治療の関わり

  1. 矯正器具からの矯正力で動かしたい方へ力がかかると、歯根膜の片側が圧迫
  2. 矯正器具の圧迫により破骨細胞が働き、元の歯槽骨を溶かして骨を体に吸収
  3. 圧迫されていない側(動かしたい側)の歯根膜は骨芽細胞がコラーゲンを作り骨に必要なカルシウムを定着
  4. 新しい歯槽骨が作られ歯が動く

アンキローシスの場合

ところがアンキローシスの場合は異なります。アンキローシスを骨性癒着と呼びますが、歯根膜が何らかの原因で失われたり断裂していると、歯と歯槽骨が直接癒着します。歯根膜が無くなる原因は怪我の衝撃や代謝異常で起こりやすく、乳歯でも永久歯でも関係なく起こりうるものです。前歯(切歯)より奥歯(臼歯)がなりやすく、歯をたたいた音でわかることがありますが、アンキローシスになっているかどうかは、レントゲンやCTなどの精密検査でも事前に診断するのが難しいです。

アンキローシスの方が、矯正治療を行いたい際は特殊な処置が必要となり、動かせる量が他の方よりも少ないため、矯正治療の目標を変更しなければならない可能性があります。医師としっかりご相談のうえ、定めることをおすすめします。

歯が動かない人でも動かせる方法を教えて

歯が動かない人でも動かせる方法が全くないわけではありません。

アンキローシスの方の歯の動かし方

アンキローシスの方は

  • 動揺させる処置(亜脱臼)をし、歯は元の位置にある状態で矯正治療を行う
  • コルチコトミーという歯と歯の間の歯槽骨を切り、矯正のスピードを上げる

このような処置が必要となります。コルチコトミーは骨を切る外科治療が必要となるため、口腔外科がある歯科医院で行うのがより安全と言えます。

装着時間か、口や舌に癖がある方の歯の動かし方

矯正装着時間が少ない(マウスピースでの矯正に起こりがち)場合は担当医の指導に従いましょう。治療期間が延びてしまいます。また、過度な力を歯に加える態癖がある方は、無意識下で行わないよう注意し、患者さんご自身で難しそうな場合は相談するのも良いです。

まとめ

矯正を開始して動かないとなると、アンキローシスや装着時間の短縮などが考えられます。治療中に気になることがあればドクターやスタッフに確認のうえ、矯正治療を続けましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス