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インプラントの寿命はどのくらい?長持ちさせるコツも紹介

インプラントの寿命はどのくらい?

インプラントの寿命が気になる患者さんへ

インプラントは、歯を失った部分に人工の歯根を埋める治療法として人気ですが、その寿命について不安に感じる患者さんも少なくありません。特に、「インプラントはどれくらい持つのか」「長期間の使用に耐えられるのか」という疑問は、多くの方が抱える悩みです。

実際、インプラントの寿命は一般的に10年〜30年とされており、正しいケアを行えば長期間安定して使用することが可能です。しかし、どのようにケアすれば長持ちさせられるのか、その方法を知っておくことが大切です。

アジアや日本でのインプラントの一般的な寿命とは

インプラント

インプラントの寿命については、地域や研究によって異なりますが、一般的には次のようなデータがあります。

  • 10年で約90%以上が生存する → インプラント治療後10年間の成功率が90%以上とされており、これは世界中の研究結果に基づいています。
  • 20年でも80%の成功率 → 20年以上の長期間使用しているケースでも、80%程度のインプラントは問題なく使用できています。

これらのデータから、インプラントは適切なケアを行えば、非常に長い寿命を持つことが分かります。もちろん、個人差はありますが、しっかりとしたメンテナンスが欠かせません。

インプラントの寿命に影響を与える要因

寿命に影響を与える要因

インプラントの寿命は、いくつかの要因によって左右されます。主に以下の点が影響します。

インプラントの材質や設置方法

インプラントに使用される素材(チタンやジルコニア)や、その設置方法が寿命に関わります。質の良い素材を使用し、専門医による正確な手術が施されれば、インプラントは長持ちします。

患者さんの口腔ケア習慣や生活習慣

患者さんが日常的に行う歯磨きや歯垢の除去、食生活なども大きな影響を与えます。特に喫煙や過度な飲酒はインプラントに負担をかけるため、注意が必要です。

骨の健康状態

骨密度が低い患者さんではインプラントがしっかりと固定されない場合があり、長期間の使用には注意が必要です。骨の健康を保つためには、カルシウムを豊富に含む食事や定期的な運動が推奨されます。

インプラントを長持ちさせるためのポイント

インプラントの寿命を延ばすためには、いくつかの簡単なケアポイントを押さえておくと良いでしょう。

毎日の歯磨きと歯垢の除去

インプラント周囲の歯垢(プラーク)を毎日しっかりと取り除くことが非常に重要です。特にインプラント周囲の歯肉に炎症が起きると、インプラントが不安定になることがあります。

定期的な健診とメンテナンス

定期的に歯科医院で健診を受けることで、インプラントの状態をチェックし、早期に問題を発見できます。また、定期的なプロフェッショナルによるクリーニングも有効です。

適切な食事と生活習慣の維持

インプラントを長持ちさせるためには、カルシウムやビタミンDを摂取し、喫煙や過度な飲酒を控えることが大切です。健康的な生活習慣がインプラントの寿命を延ばします。

患者さんの年齢によって寿命は変わるの?

患者さんの年齢によって寿命は変わる?

インプラントの寿命は、技術的な耐久性だけでなく、患者さんの年齢や全身状態にも影響を受けます。年齢によってインプラントが長持ちするかどうかに差が出ることもあるため、それぞれの年代に合ったケアが大切です。

高齢の患者さんの場合

高齢の方でもインプラント治療は可能です。ただし、以下の点に注意が必要です:

  • 骨の密度が低下しやすいため、インプラントが安定しにくいことがあります
  • 糖尿病や高血圧などの全身疾患があると、治癒に時間がかかることも
  • 手先の動きや視力の低下により、日々の歯磨きが難しくなりやすい

これらのことから、高齢の患者さんでは寿命が短くなるリスクもありますが、丁寧なケアと歯科医院でのサポート体制があれば、十分に長く使うことが可能です。

若い世代の患者さんの場合

一方で、若年層の患者さんは骨の状態が良好で治癒力も高いため、初期の成功率は高い傾向にあります。ただし、以下のような注意点もあります。

  • 長期間使用する前提なので、被せ物の交換や周囲の組織の変化への対応が必要
  • ライフスタイル(喫煙・ストレス・歯ぎしりなど)が寿命に大きく影響
  • 将来的に骨量の変化や歯列の変化が起こる可能性も

つまり、年齢によってインプラントの寿命に差が出るのは事実ですが、年齢よりも「どう使い、どう維持していくか」が大切です。年齢に合ったメンテナンスと、定期的な健診を続けることで、どの世代でもインプラントを快適に長く使うことができますよ。

インプラントの寿命を延ばすために避けるべきこと

インプラントを長持ちさせるためには、以下のことに気をつけると良いでしょう:

硬い食べ物や硬い物を噛まない

インプラントは天然の歯に比べて強度が劣ることがあります。硬いものを噛むと、インプラントが破損する可能性があります。

不正咬合の改善を行う

不正咬合(歯列不正)や歯ぎしりがある場合、インプラントに過度の負担がかかり、寿命が短くなることがあります。必要に応じて矯正治療を検討することが重要です。

不規則な健診を避ける

定期的な健診を怠ると、インプラント周囲に問題が発生したときに気づくのが遅れてしまいます。定期的にチェックを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

もしインプラントが劣化した場合、どうするべきか?

インプラントに異常が見られた場合、早期に対処することが重要です。以下はインプラントの兆候と対処法です:

痛みや腫れがある場合

インプラント周囲に痛みや腫れが現れることがあります。早期に歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが必要です。

インプラントがぐらついている場合

もしインプラントがぐらついている場合、すぐに歯科医師に相談してください。ぐらつきが悪化する前に、適切な修理や再手術が行われることがあります。

インプラントが長期間使用できるかどうかは、患者さん自身のケアと定期的なメンテナンスにかかっています。しっかりとしたケアを行うことで、インプラントは長持ちし、健康な口腔環境を保つことができます。

まとめ

インプラントと上手に付き合うために

インプラントは、正しくケアを行えば10年、20年と長持ちする治療法です。天然歯と同じように噛むことができ、見た目も自然で、日常生活の質を大きく向上させてくれます。

しかしその一方で、放っておくとインプラント周囲炎や破損といったトラブルにつながることも。だからこそ大切なのは、以下の3つのポイントを意識することです。

  • 丁寧な歯磨きと歯垢の除去で毎日のお手入れを忘れずに
  • 定期的な健診でインプラントの状態をチェック
  • 生活習慣の見直しで体全体の健康もキープ

インプラントは、「治療して終わり」ではなく、「一緒に育てていくパートナー」のような存在です。少し手をかけてあげることで、ずっと快適に使い続けることができます。

これからインプラントを考えている方も、すでにインプラントを入れている方も、不安や疑問があればぜひ歯科医院にご相談ください。あなたの笑顔と健康を長く守っていくために、私たちがお手伝いします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス

 

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